「あなたは何者か」。自己紹介、就活、SNS、キャリアデザイン……私たちはしょっちゅう、アイデンティティの探求に悩まされています。自分の内側に答えを探し、気持ちや価値観を言葉にしようと意気込んでも、「そうなんだけど、なんか違うな」と薄っすら感じるような微妙な言葉に着地してしまうかもしれません。他人の悩みにはうまく答えられる人でも、いざ「自分」のこととなると、内省の仕方に悩んでしまわないでしょうか。そもそも自分を語ることは、とても難しい営みです。そこで、そもそも「内省」(リフレクション)の方法を再構築してみようというのが本講座の試みです。自分の内側を直接探ろうとするのではなく、自分の身の回りを言葉でスケッチしてみることです。好きなものや体験したこと、目の前の世界、移動した先でみた光景などについて書くことです。世界のどこをみて、どんなところを詳しく語るのか──その切り取り方には、あなた自身が意識していなかった視点や距離感が自然に表れます。本講座では、「観察スケッチ」「紀行文」「書評」という三つのエッセイを通じて見えてくる自分を捉えていきます。 講師は哲学者の谷川嘉浩さん。『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』『スマホ時代の哲学』の著者としても知られています。これまでの講座では「自分の見えていなかった部分に気づけた」という声も多く、参加者の言葉に丁寧に寄り添うスタイルが評判です。対話と執筆を往復しながら、一緒に新しい内省の時間を過ごしてみませんか。